私が人生で最も愛するロックバンド・ヒトリエが2024年1月22日をもって、メジャーデビュー10周年を迎えた。
今年はヒトリエ10周年にあたり、過去CDリリース日ごとにこれまでの思い出などヒトリエについてもりもりと語っていきたい。……と思った矢先、ヒトリエ公式アカウントでのインスタライブで「今年はヒトリエを救っていかなければならない」という使命を、ヒトリエファンは背負うことを余儀なくされた。おめでとう、応援しますと並んで「救います!」と言う10周年インスタライブ、ちょっと面白いな、救います。
さて、わざわざ書く必要はないだろうが、ヒトリエについて簡単に紹介する。
ヒトリエは、ニコニコ動画VOCALOID界を一世風靡したwowaka(Vo./Gt.)と、同じくニコニコ動画音楽カルチャーに縁のある、イガラシ(Ba.)、ゆーまお(Dr.)で前身バンドを結成後、シノダ(Gt.)が加入し結成された4人組ロックバンド。2014年1月22日にメジャーデビュー。(詳細を割愛)アルバム制作、タイアップ、ライブツアー、対バンツアー、大型ロックフェスなど精力的に活動。2019年4月5日アルバムツアー期間中に、wowakaが他界。同年6月1日より、シノダ、イガラシ、ゆーまおの3人体制にてライブを実施。以後、wowakaの音楽と意志を継ぎ、「ヒトリエ」を再開し、メジャー10周年を迎える。*1
(私について:wowakaさんがVOCALOIDで曲を投稿していた頃から、wowakaさん音楽のファンであり、そこから地続きではなかったが、メジャーデビュー頃のタイミングでヒトリエを知り、年数回ライブに通い現在。wowakaさんのファンであり、ヒトリエのファン。)
センスレス・ワンダー
あたしはイレギュラー 内側に咲いた自尊心
泣きたく成るから後ろ向きで行こう?
ヒトリエの代名詞たる曲と言ってもいいだろう。メジャーデビュー曲あるあるとはいえ、ある時期あたりから、ライブ終盤の定番曲。このイントロが流れるとライブが終わってしまうなという感じがある。wowakaさんのVOCALOID楽曲「アンハッピーリフレイン」*2からの流れ聞くと、個人的には楽曲の系統としては近いものを感じる。 楽曲と当時のアーティストの内情を詮索して、こうだああだと語るのは野暮だとは感じるが、「辛い感情が強い時こそ、楽曲は轟音且つ鋭利なものになる」という印象が、wowakaさんに限らずヒトリエの音楽として感じることがある。 特に「センスレス・ワンダー」はそういった色が強い楽曲だ。
また「センスレス・ワンダー」をイヤホンを通して聞いてほしい。一曲を通し、右側から聞こえるギターがシノダさん。左側から聞こえるギターがwowakaさん。イントロのフレーズが分かりやすいので聞き分けられると思う。注目して聞いてほしいのが、2Aメロ入ってからのギター、最初の8小節まではwowakaさんのギターであるところ。ギターボーカルの裁量が多い上に細かすぎる。ギターボーカルのギターがこうだと、リードギターはもっと細かい。素人目に見ても技術力のヤバさに圧倒される。
後述もするが、3人体制のヒトリエもwowakaさんの楽曲をライブで演奏している。これが恐ろしいところで、4人の時の音数や音圧を大きく印象を変えることなくできているのだ。それでもギター1本減っているので、素人でもわかる変わった部分もあるが、あの難解な楽曲を3人仕様でできているのだから本当にすごい「バケモノバンド」なんだと思う。
さらってほしいの
「センスレス・ワンダー」を語るのであれば、この曲も外せない。所謂、シングルのカップリング曲あるあるの、隠れ神曲位置だと個人的に思っている。 VOCALOID楽曲でのwowakaさんの印象に「ピアノ」は不可欠だと思う。「さらってほしいの」も印象的なピアノイントロから始まる。もう一つVOCALOID楽曲から変わらない印象の「少女性」の美しさも濃く感じて、特に好きな楽曲の一つ。 私がwowakaさんがいた時のライブで聞くことがなかったので、数多ある心残りの一つだと感じている。でも不思議とこの楽曲にある、「さみしいあの子を掴もうとして掴めない哀しさ」と合致してしまって、これはこのままで美しかったのかなとすら思う。そう思うより他ないとも思うが。
darasta
同じく「センスレス・ワンダー」のカップリング曲。ダラスタッタッタッタッタッタッタ! オノマトペというのかリズムに合わせた言葉選びの癖もすごいなあと思う。シンプルに上がると思うのでライブで聞きたい。……と、これを書いていてdarastaは聞いたことあったっけな?と記憶が混濁する。
最後に、本日10周年を記念し「10年後のセンスレス・ワンダー」がリリースされた内容で〆る。
2024.1.22 New Release
— ヒトリエ (@hitorieJP) 2024年1月21日
Digital Single
「10年後のセンスレス・ワンダー」
配信サイト
🎧 https://t.co/PcrO0bLL3w#ヒトリエ#センスレス・ワンダー pic.twitter.com/IM5OmWeGma
3人で再レコーディングがされた3人の「センスレス・ワンダー[ReREC]」と4人の音を新たにMIXした「センスレス・ワンダー[Original Rec 2024 Mix]」がリリースされた。
3人での「センスレス・ワンダー」もあれからよく聞いているが、初めて聞いた時の感情は忘れられない。先述のイントロ部分、wowakaさんのギターフレーズがベース音に変わっている。wowakaさんがもういないという、認めざるを得ない喪失感と、それでもこの曲を続けていくという堅い意志を感じた瞬間だった。
私は今のヒトリエのこういった、音楽を明日へ繋ぐ姿勢と、それでも埋まらない心の隙間にそっと寄り添う姿に救われていると感じている。そう受け取っているといったほうが正しいかもしれない。3人の音楽と4人の音楽を同時に出してくれたことに感謝している。
メジャーデビュー直前かそのあたりのライブにて、「ヒトリエとはどんなバンド」と聞かれたwowakaさんが、「ヒトリエとはぼくであり、ぼくたちである」*3と答えていたことを覚えている。そこに姿はなくとも、そこに感じることができる。大好きなwowakaさんに1番近い場所は、ヒトリエだ。
ヒトリエメジャーデビュー10周年イヤー、これから色々な企画が用意されているようなので、今年はヒトリエに本気(マジ)で挑みたい(が、地方民&多趣味ゆえ明日明後日のライブは不参戦という不届者)。これからが楽しみ。
ヒトリエ 10-NEN-SAI 計画
— ヒトリエ (@hitorieJP) 2024年1月21日
【02】公開❗️#ヒトリエ#センスレス・ワンダー pic.twitter.com/qZyRqk3ecX
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