2024年は、TRUMPシリーズ15周年アニバーサリーイヤーです!
今年予定されているもので、すでに発表があるのは、TVアニメ『デリコズ・ナーサリー』*1とコミカライズ版『COCOON』*2ですね。新作舞台作品の発表が期待されます!
さてそんな折、私は年明けに立て続いた暗いニュースを見て、あてもなく病んでしまうのも良くないと思い……TRUMPシリーズまとめて見てました。別の方向で食らいました。年明けと言いましたが、年末年始繭期強化期間でした笑
TRUMPシリーズ
脚本・演出:末満健一
TRUMPシリーズは私にとっては「逃し続けてきた舞台作品」の一つでした。
初演LILIUMの時期に、ハロプロ好きの友人に勧められるもちゃんと見ない→マリーゴールドに吉野圭吾さんが出て、ライビュを検討するも諦める→刀ステにハマり、末満作品に興味を持つも重い腰が上がらない→ヴェラキッカで大好きな美弥るりかさんの主演が決まり、チケット取るも中止となる……
ヴェラキッカ中止でだいぶ食らってしまい、これは縁がないのかなと思っていたところ、日テレプラスでDステTRUMP含む一挙放送が! 「これを逃すともう見ない」と思い、ハロプロ好きの友人からLILIUM円盤セットを拝借もし、(Dステ以外のTRUMPと新約LILIUM以外)全部見ました。前振りが長すぎてもしょうがないので、以下各作品の感想です。
※当然ですが、ネタバレを含みますので、見ていない作品のある方はご注意ください。
※所謂「初見の悲鳴」程度の感想なので、考察や掘り下げ感想はありません。
※短編小説など舞台作品以外のコンテンツはまだ触ってないので、色々間違ってたらごめんなさい。
『TRUMP〈TRUTH〉』(2013)
TRUMPシリーズの初見は順当にTRUTHにしました。 初めてハマったイケメン集団がD2でした。そう……あれはテニミュ2ndや忍ミュが始まった頃の話……D2の揃い踏みも、今見るとかなり豪華でまずはキャストの豪華さと懐かしさにただただ浸る。10年経っても、この人数の顔と名前が全員一致するんだよな……
後の作品で三津谷亮さんのソフィが続きますが、TRUMPの正統ストーリーは、三津谷さんがウルのTRUTHだなと個人的には思う。多分、全体的に当て書きにも近い、役者と配役の親和性を感じるところで。後の作品に続くという点では、陳内将さんのクラウスのハマり様がとても良い。陳内さんのクラウスに対する、山田裕貴さんのアレンも絶妙。というか、後述のREVERSEのことを思うと、アレンのイメージがこっちすぎる。
初期作品であり、「リアル繭期」ならではの空気感によるチープさもいっそ愛おしい。正直、末満さんのギャグパートはまあまあ合わない前提があるんですが、ジョルジュ(荒井敦史)の「百連発!百連発!」で馬鹿みたいにツボってたりする。 これに関しては、荒井さんのマンパワーかな笑 何というかTRUMPのカタルシスが、後の作品あってこそみたいなところになってしまっているので、単体の感想をあげようと思うと難しいと気づく笑
それこそ、初見感想は「地獄版ポーの一族」とか「それが恋だったから仕方なかったんだな、クラウス」とか「「メリーベルとかいう女」←憎しみ詰まりすぎ好き台詞」とかそんなオタクオタクしい感想ばかりでした笑
『TRUMP〈REVERSE〉』(2013)
で、TRUTHを踏まえてのREVERSE。先述の通り、役者のイメージならTRUTHの配役だったので、REVERSEどうなるの??と思ってた。特にティーチャー2人(山口賢貴・近江陽一郎)。ティーチャー2人、見事な変わり様に拍手するも、片方見ると片方の印象を忘れる笑
このシステム改めて思い返すと本当に面白い。似たシステムを実施したものだと、日本初演時のミュージカル『ストーリー・オブ・マイライフ』*3のようなエモーショナルを感じた。
「生まれ変わったら、僕は君になりたいな」という台詞による、演劇だからできる輪廻転生構造が憎い。しかも、千秋楽には「君になりたい」と言い切らなかったとも末満さんのお話で知る。*4
で、クラウスとアレンのリバースですけど、なんでこっちのアレンはこんなにチャラチャラしてるんだ笑 TRUTHは、不思議ちゃんなアレン(山田裕貴)が、クラウス(陳内将)の弱さをストレートに見透かしていて、その純真無垢な姿がクラウスにとっての唯一無二だったんだなって感じがするんですけど……REVERSEのアレン(陳内将)はチャラいが故に、クラウス(山田裕貴)はどこに惹かれたんだろう??と思ってしまう笑 いや、こちらはこちらで良かったんですが笑
ミュージカル『LILIUM - リリウム 少女純潔歌劇 -』(2014)
短編演劇『二輪咲き』(2015)
噂にひどいひどいと聞いてましたが、ほんとうに酷かった。語弊のないように言うと、物語として、隙もなければ救いもなかったので、賞賛の意でもあるけども……よくもまあ、リアル繭期且つアイドルの女の子たちにこんなものを笑 円盤特典のバックステージ映像も見たんですが、「この子たち、このお話のグロテスクさを後々になって気づくんだろうな……」と思わずにいられない。女子たちのきゃぴきゃぴ空間に目眩。いや可愛かったです。
ハロプロ界隈でも評価が高いようなので、そうか……とは思うんですけど、「推しが自害を試み何度も自分の体を刺すも、死ねずに絶叫する」ってどうなん??とシンプル思った。全員が全員私みたいに、「推しが(フィクション上)苦しんでると興奮する」とは言わないじゃん……()
事の顛末の絶望さはそれはそれは素晴らしいんですが、LILIUMで特に好きなのはやっぱり楽曲です。アイドルっぽさ取り入れた軽快さのあるナンバーも、ミュージカルらしいメロディアスなものもどれも好きです。またこれがミュージカルならではの憎さで、後に続く作品でも、LILIUMの楽曲のメロディーラインが使われているので、涙腺が緩むことが多かった。「Eli, Eli, Lema Sabachthani?」と「共同幻想ユートピア」が特に好き。
『二輪咲き』ほうも視聴。初見時にリコリス(飯窪春菜)とシルベチカ(小田さくら)の関係性が全く分からなかったんですけど……なるほど、二重人格なんですね。「血まみれのピーアニーを紫蘭と竜胆が庭に埋めるところを誰かが見たって!」……ひどい!狂ってるよ!!
『SPECTER』(2015)
TRUMPが男性のみ、LILIUMが女性のみの舞台空間を経ると、男女混合の舞台空間は、物語の内容によっては生々しさを感じる。また、ストプレ作品を見ると、ミュージカル作品が歌を挟むことで、心理的余裕みたいな効果が生まれるものなんだなと感じたりしたのがSPECTER。
初見直後の感想こそは「胸糞」だったんですが、後述の再演SPECTERを見てから、SPECTERかなり好きだな思い返す。初演のみの要素にフォーカスすると、あのキャパの狭さがネブラ村の閉鎖空間とマッチしてていいなと感じたし、あの時期だからこそできたものなんだなと思った。
再演との比較になるが、初演再演ともに、高級カーテンみたいな花柄の衣装が良いなと思うんだけど、初演はクラウス(山浦徹)だけ青みの強い色で差別感が出ているのが結構好き。
そう、クラウスが山浦徹さん。それこそピースピット時代から知ってる人からしたら、このシークレットキャストはさぞ驚いたことだろう……私の場合は、刀ステからなので、「クラウスが……山浦さんなんだ……」と妙に納得してしまった。(刀ステシリーズで、キーパーソンとなる黒田官兵衛役が山浦徹さんです。)末満さんにとってのミューズは山浦さんなのだろうか……
『グランギニョル』(2017)
聞いて驚け、元旦に見たのがグランギニョルだったんだ。すごいへこんだ。悪いけどこれを希望の物語と解釈する人とは仲良くできそうにない……まだSPECTERのが希望がある。物凄くクオリティも高かったし、面白かったし、TRUMPシリーズの肝になる作品だということは分かるんだけど、あまり見返したくないタイプの「良い作品」だった。まあ、グランギニョル(残酷劇)と堂々と銘打ってあるだけある。
「醜悪」が1番の感想でしたね。醜悪のイメージが強すぎて色々抜けてる情報がありそうなので、また見返さないととは思います笑 あと、ダリちゃん(染谷俊之)がTRUMPシリーズにおいて重要なポジションにいるというのは理解できたけど、いまいちダリちゃんのストーリーには興味がそこまで向いてないんだなと、この感想をまとめていてなんとなく気づいた。ごめんねダリちゃん。
ところで、スー・オールセンが田中真琴さんで五度見ぐらいした。「あの、感覚ピエロのMV御用達の田中真琴じゃん」と。TRUMPシリーズ、結構意外だったり、驚きのキャスティングがあって楽しい。
キャストといえば、田村芽実さん(マリーゴールド(ガーベラ)→キキ)みたいに、役違いでも何かしらの繋がりがある人がいれば、愛加あゆさん(フリーダ→エリカ→ジョー)みたいに特に繋がりが無さそうな人がいるのも興味深いなと思った。
ミュージカル『マリーゴールド』(2018)
シリーズ初ミュージカルはマリーゴールドになるらしい。*5壮一帆さんと愛加あゆさん姉妹役で芝居をし、歌を歌っている胸熱さ、LILIUMの時から頭抜けてた田村芽実さんが、さらにパワーアップしてタイトルロールを背負っていること……要素だけでもお腹いっぱいだけど、ドン引きするほどしんどい物語だった。
ミュージカルといえど、グランギニョルと同じぐらい見返すのを躊躇うレベル。LILIUMに繋がる話としては、ガーベラ(マリーゴールド)の部分でも、ソフィ(ファルス)の部分でも隙がなくて良かった。
ただ本当に話が重い。 初見後の感想は「その男を2度殴れ!3度殴れ!」と思ったぐらい、ヘンルーダ(吉野圭吾)には腹が立ったが、ありがたいことにこういう奴には必ず死が用意される。TRUMPシリーズ、どうしてそう見境なく子供作ってしまうんだポイントが多すぎて疲れるが、そうじゃないと話にならない世界というのもしんどいところ。
マリーゴールドしかり、黑世界しかり、ここぞという場面で、LILIUMの楽曲メロディーラインだったり、星の轍が入ったり、ほんとうに上手いし憎い笑
『SPECTER』(2019)
とりあえずこのキャスパレだけでも見て欲しい。すごく良い。
初演SPECTERにも書いたが、SPECTERがかなり好きで、それは再演SPECTERのおかげとも言うべき。劇団という媒体ならではの再演の形と、TRUMPシリーズが積み重ねてきた物語による再構築が素晴らしい。多分SPECTERだけで別の記事にしたほういいかもしれない笑 気が向いたらSPECTERだけで感想書きます。
何故、SPECTERがそんなに刺さったかを考えた。
TRUMPシリーズの中で唯一少年漫画っぽいからだ。というかもっと具体名を出すと、仮面ライダー555的な、井上敏樹作品に通ずるものがあるから好きなんだ。(令和になっても平成仮面ライダーオタク)
唯我独尊タイプの主人公には「守りたいものを守れなかった」後悔があり、その後悔を超える成長譚であり、主人公の意志を継ぐ少年の話でもある。その中で、愛憎要素やアクションホラーや、サスペンスが盛り込まれてる。尚且つ、再演版はシャドのローザへの感情描写がハッキリしているのが良い。
再演SPECTERをリバースシステムと言って良いのかわからないが、TRUMPシリーズにおける役者とその配役はただの変更にとどまらないものを感じてしまう。最初見た時に再演版の配役には震えた。初演でノームを演じた井上拓哉さんが、ヒューゴを演じるとか、臥萬里を演じた中山義紘さんが、クラウスを演じるとか……変な気分になったよ……個人的には、三好大貴さんがシャドで「ひどい!!」と泣いた。
それにしても、最初に書いたが、再演SPECTERのキャスパレが良すぎる。初見後から今まで、1日に最低3回は見てる。SPECTERだけは音楽が和田さんではなく、瓢箪島さん。SPECTERにぴったりな悪夢みたいな音楽で、キャスパレの演出も途中「インフルエンザで見る夢」みたいな描写があって、最高にトチ狂ってて好き。*6
『COCOON 月の翳り』(2019)
TRUMPシリーズで役者の芝居力の凄みを感じたのが本作。ミュージカル作品でもなく、SPECTERほどアクションがあるわけでもない。ビジュアルの神秘さに対して、お芝居はいたってシンプル、会話劇とっても良いぐらい。役者のお芝居の厚さで見るならCOCOON 2作かなと個人的に思いました。星がTRUMPのストーリーと同じなぶん、新作の月のがより新鮮な気持ちで見たので、月の翳りもシリーズの中ではかなり好きな方に寄ってる。
本当に皆さん上手いけど、W主演のアンジェリコの安西慎太郎さんとラファエロの荒木宏文さんの芝居の繊細さに圧倒された。 役者の話ばっかで申し訳ないけど、ジュリオの田中亨さん、可愛かったな。ビジュがまず二次元チックで、刺さるオタクにはブッ刺さるやつ。あのビジュで声が低い上に「僕ちゃん」一人称だからオタクは困った。ジュリオ、最後まで生きてて良かった。しかもこの期間、田中さんは再演SPECTERでクラナッハもやっていたから、キャラクターの振り幅がすごいなとも思ったし、何よりかなり若くて衝撃だった。
さらに役者の話となると、ドナテルロの細貝圭さん。青春時代にかなり好きだった俳優さんなんですけど、ほんと嫌われ悪役が様になると、個人的にやや懐かしんでいた。しかし今回ばかりは「大丈夫?嫌われない?」と心配するぐらいキッショい役柄で笑った。ドナテルロ〜教員免許剥奪せ〜い!
まさか、ティーチャー・グスタフ(郷本直也)にそこまでの背景があるとは思わなかったな。ダリちゃん以上にびっくり。まあそれをいうなら、アンジェリコもただの噛ませ犬で終わらなかったのは驚きだし、グランギニョルのゲルハルトのことを思うと胸が痛くなってしまう。
『COCOON 星ひとつ』(2019)
ここに来て、『TRUMP』を再構成するんだなあとシンプルに驚いた。ウル視点の再構成、ダリちゃんもグランギニョルを経た染谷さんで、ただの愉快なダリ卿で終わることはなく、哀愁を感じる物語の提示。だが、半裸の人間椅子は残されていた(何故、最善を尽くしたのか……)。でも流石にパンイチではなく、怪しい空気感だけで留まった笑 アンジェリコも月のほうでは、「私の知ってるアンジェリコではないな……過去はこんなに可愛らしかったのか」と思っていたが、ちゃんと私の知ってるアンジェリコの喧しさもあり、月を経たアンジェリコの部分もあって、さらに濃いキャラクターなっていた。
なんて言うか不思議だなと思ったのが、ウルの宮崎秋人さんの風貌が、TRUMPでウルを演じた、西井幸人さんと三津谷亮さん、どちらともの雰囲気を感じたこと。私がコクーンの投与で繭期の幻覚を見たのか……笑
ソフィの三津谷亮さんは、TRUMP、マリーゴールドと経て星ひとつ。設定上のソフィの永遠さに比べたらほんの数年といえど、年月重ねるほど同じ人物がこの役を演じることで、ソフィという役の重さを感じてしまう。三津谷さんの演じるソフィには、生き苦しさの説得力を感じたり、負の感情の色合いが豊かに見えてとても好きです。
風貌似てる話でもう一つ。萬里がちゃんとSPECTERの要素があって良かったんだけど、木戸邑弥さんの萬里……初演SPECTERでノームだった井上拓哉さんを思わせる風貌で、上手いキャスティングするもんだなとこれもびっくりでした。
『黑世界〜リリーの永遠記憶探訪記、或いは終わりなき繭期にまつわる寥々たる考察について〜 雨下の章/日和の章』(2020)
リリーになんてことを……という、まあTRUMPシリーズにおいて今更みたいな文言ですけど、そんな非人道的なことする??と衝撃のエピソードを知った回。短編集且つアンソロジーなので、ある意味ソフィやクラウス以上に、永遠の時をどう過ごして来たかを知ることができて面白かった。別の作家に話を書かせることで、趣旨がズレるみたいなことが懸念されるけども、こういうやり方ならありだなあと感じた。そして、おそらく1番好き嫌いが分かれるであろう「開始5秒でわかる中屋敷繭期」がツボ。あそこまで来ると個性ってほんとすごい。
一部要素の話で、SPECTERが少年漫画的なら、黑世界は少女漫画的だと思った。どこがというと“チェリー”(新良エツ子)の存在。魔女宅のジジとか、プリキュアの小さい妖精のようなマスコット感。リリーが独りぼっちじゃなくて安心した。イマジナリーフレンドだから、リリーには良心がある、ソフィみたいにウルごっことかしない笑 あとここが少女漫画的ミソだなあと思うのが、リリーにとって親友だったスノウではなく、面倒見のある友人だったチェリーの名前を持ってくるところ。セーラームーンのうさぎちゃんにとってのレイちゃんのような、親友とはまた違う濃いつながりの友達……というか、チェリーと名付けるまでの、リリーが幻想家族にクランでの友達の話をするところからダバダバ泣いてた。
鞘師里保さんもここでリリーとして戻ってくるのは、LILIUMを見てきたファンは嬉しかったろうなあ。歌も芝居も当たり前だけどパワーアップしてて、でもLILIUMのリリーと変わらない素朴さもあって良かった。良かったからこそ、死を探す旅っていうあての無さがなあ……LILIUMの中でもリリーって「ふつうの女の子」だからこそ、この呪いは重く感じるんだなあと振り返った。
雨下の章ではTRUMPの池岡亮介さん、大久保祥太郎さん、日和の章ではSPECTERの中山義弘さん、三好大貴さんという顔ぶれもなんともエモい。そしてミュージカルオタクには刺さる、まるでソーシャルディスタンスを声量で超えていくような、朴路美さんと上原理生さん揃い踏みは強すぎた。
ミュージカル『ヴェラキッカ』(2022)
SPECTERと競るぐらい好きな作品ヴェラキッカ。冒頭でも書いたが、チケットは取れていたけど中止になって現地へ行けなかった作品でもある。見終わって最初の感想が「現地で見たかった」なのが辛かった……
まずこの作品は、ソフィ、クラウス、リリーの話を補完せずとも見れる、独立した世界なのが見やすさがあっていい。途中本当に可哀想だけど、救いを感じる終わる方で後味が悪くないのも良い笑
喜劇で奇劇でもあり、ミュージカルナンバーも明るくて愉快。その分「TRUMPらしい」部分をシオン(松下優也)1人に背負わせてるような気がして、可哀想でならなかった。だからこそ、救いを感じるような終わり方でほんと良かった。でも、リリーが否定した共同幻想を肯定するような話でもあるんだよな……ここで、アンチテーゼを提示するのか……「共同幻想の外側」という概念の持ち込みも面白い。その体で、もう一回ヴェラキッカを頭から見返したいと思ってます。
そしてノラ・ヴェラキッカの美弥るりかさん。美弥さんきっかけで宝塚大劇場に足を運び、月組2番手時代を見届けて来ました。トップで輝く姿が見たかったな……と心残りがどうしてもあったのもあり、ヴェラキッカを見て「本当のサヨナラ公演、サヨナラショーを見ているようだ」とも感じました。最初に主演が決まった時も、TRUMPミリしらながらも「美弥るりか、TRUMPは正解すぎる」と喜んだので、ほんと素敵な作品の主演が実現して、見たい姿がたくさん見られて良かったなと大感動。
各タイトルの感想は以上です。長いのか短いのかという内容量ですが、「このタイトルはしっかり見直して、別のブログでまとめたい」と書きながら思いました。気が向いたら書きます。
TRUMPシリーズすごいと思うのは、関西の小劇団から始まったオリジナル作品が、制作規模を大きくし、シリーズ化する内容量へと躍進したこと。各作品全て安定した面白さが保たれていて、作品ごとのつながりや世界観の作り込みに抜かりがないこと。制作規模が大きくなり、沢山の人の手に触れるようになっても、破綻の影を一切見せずに15年続いてきたのは、あまり他に見ない。
また、ただオリジナル作品大きくして続けていくだけでなく、日本のオリジナル演劇、オリジナルミュージカルとして、演劇界に一石を投じる姿勢にも感心してしています。*7シリーズものではあるものの、登場人物に固定の役者をつけないのも、広く上演できる強みだなとも思う。……とは言うものの、「あの役者さんがこの役を演じる」ことに強い意味合いを持たせている側面もあるので、20周年迎える前にフィナーレを迎えるのではないか?とも思ったりする。まずは、今年これからどんな展開が待っているのか、永遠の繭期が見せる世界にますます期待したい。
引用と被るが、末満さんのインタビュー記事を残す。とても読み応えがあった2記事。
*1:
TRUMPシリーズTVアニメ「デリコズ・ナーサリー」公式サイト
*2:
https://x.com/trump_comic_ya/status/1731327434769989779?s=46&t=SeJHynteeU2NLKDL6pOoZA
*3:
万里生×平方が作家とその親友を相互に演じる「ストーリー・オブ~」開幕(公演レポート / コメントあり) - ステージナタリー
*4:
Blu-ray化タイトルをまとめて振り返る/TRUMP解体新書 Vol.7【作品編】 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス
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Blu-ray化タイトルをまとめて振り返る/TRUMP解体新書 Vol.7【作品編】 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス
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