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舞台『刀剣乱舞』心伝 つけたり奇譚の走馬灯 感想③

心伝感想ブログ3つ目は、キャラキャスト別感想を中心につらつらと書いていきたいと思います。心伝は刀ステの中で過去1馴染みのあるキャストで固まっていたのも、ここまで盛り上がった理由の一つかもしれない。薄ミュエモキャスティングの話は前にもしたけど、薄ミュキャスト陣は、平成ライダー出演歴もあった。仮面ライダー鎧武10周年おめでとう。仮面ライダーゼロワンもうすぐ5周年おめでとう。……え?

心伝感想ブログの①と②はコチラ

charmy-coroge.hatenablog.com

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刀剣男士

加州清光 / 松田凌さん

同時代というのもあって、心伝は維伝と雰囲気が似た作品であるなと思うのですが、清光の肝の座り様も陸奥守と似たものを感じました。超雑な言い方すると同じぐらいのレベルの刀剣男士なんだろうなあ感。元々のキャラというのもあると思うんですけど、安定が感情的な分、大変落ち着きのある清光でした。これも対照的な部分で、池田屋の場面で嗚咽交じりに泣き話しかけるのが安定で、無言で大粒の涙を流すのが清光なんだなあと、印象的な場面でした。陸奥守と似ているという点では、沖田との戦いの場面で「いつかこんな日が来るんじゃないかって」の台詞も、似たニュアンスのものが……あったような(この間維伝見返したばかりなのに自信無し)。

天伝の時から、刀ミュが佐藤流司さんなら刀ステは松田凌さんに大納得してしまった天才キャスティング。満を持しての座長で、改めてセンターの似合う華のある役者さんだなと思いました。観劇時のハイライトは、真剣必殺での客席からのダッシュがよく見える位置だったので、超絶カッコイイ、スライディングからのダッシュを拝むことができました。やっぱりこの清光はレベルが高いぞ。

大和守安定 / 植田圭輔さん

清光で書いたことと被りますけど、安定と清光って、往年の二次創作沖田総司像のAパターンBパターンみたいなキャラ付けでありながら、すごく対照的で面白いなあと思うんですね。基本的に、静の清光、動の安定。油小路の走馬灯での、沖田に問われた清光が詰まって、安定が応えるところも、ここで詰まるのは清光で応えるのが安定なんだなあというのも面白かった。

カテコの植田さんの言葉じゃないけど、本当に8年前からいたような安心感。去年のお披露目から「見たことあるな?」と何度思ったことか、あまりにも大和守安定すぎる。永遠のショタ植ちゃん。

和泉守兼定 / 田淵累生さん

カッコよくて強ぉ~い!!維伝から土方エピソードのチラ見せがあった分、今回は土方との場面もあって、大変かわいらしいことになっていた兼さん。そう、土方を目の前にすると急にファンの挙動になってしまう兼さん、大変かわいかったです。刀剣男士の元主に向ける感情がそれぞれ違って面白かったり、愛おしかったり、また、元主の刀剣男士への向き合い方もそれぞれに見せてくれる刀ステが好きですね。中でも、兼さんは「カッコよくて強い」土方への憧れと誇りを特に感じました。「オレのだんだらも浅葱色!」なんかも特に。

大千秋楽配信の「オレのファンが増えちまうかな?」のニッと口角を上げる表情が、あんまりにもカッコいい。心伝期間で田淵さん演じる兼さんがめちゃくちゃ好きなんだなと再確認した。

堀川国広 / 小西詠斗さん

もはや兼さんに対しての眼差しが母。維伝の時は母でななかったけど、今回は完全に母でしたね。禁令を言う兼さんを一節ずつ頷きながら見守る堀川くん、その他兼さんが喋ると慈愛の表情になる堀川くん……そんな堀川くんですが、観劇の際に気づいたところですが、島原での場面で、兼さんと堀川くんが土方さんと一緒の座敷に座ってお酒を飲んでいる時に、土方さんからお酌を……!!その時の堀川くんの嬉しそうな表情たるや、あれは現地ならではの思い出ですね。かわいさあふれる堀川くんですが、殺陣の場面では邪道っぷりが伺える戦闘モードの強さで、表情の気迫っぷりも見事でした。こういう部分に土方のエッセンスがあるんですかね。

長曽祢虎徹 / 松田岳さん

近藤さんのところで詳しく書きますけども、ほんと〜〜〜に近藤さんとの場面が全体的に良かったです!長曽祢さん、近藤さんが長曽祢虎徹のことを大事にしてたのを知っていたから、近藤さんに向ける視線が逐一優しかったのかなとか思ったり……あとは孫六との絡みだったり、ちょいちょいフェアリーを感じる可愛さが垣間見えたり、と思ったらばちばちにカッコよかったりとても良かった長曽祢さん。

真剣必殺の脱衣演出はあまり好みではないのですが、維伝の陸奥守吉行に続き、長曽祢虎徹は素晴らしいと思いました。あれは見せるべくして仕上がった肉体美……綺麗な背中でした……そんな松田岳さんは、カテコでも持ち前のほわほわ感で「筋トレをしよう!」と話していた。かわいい。

孫六兼元 / 砂川脩弥さん

心伝を機に孫さんへの愛着を深めてしまった。一緒にハートマークを作りましょう、愛か。口を開けば「枝葉」「剪定」「合間を縫って読書中」おしゃべり大好き孫さん。かわいい。でも刀を向けてる時は、元主人らと同じく血気盛んな様子が垣間見える強気な、ともすれば楽しそうな表情が印象的でした。ゲームの孫六の印象は、声が杉田さんというのもあって、落ち着きのある大人というイメージだったのが、砂川さんの孫六は、年寄り刀分類の小ボケ感もありつつも、青年らしい爽やかさとカッコ良さのある、いい意味でゲームに寄せすぎてない刀ステの孫六を感じてとてもよかったです〜!

あと、現在岐阜の関鍛冶伝承館にて、刀剣乱舞孫六兼元コラボ企画をしています! 私も後日見に行く予定です。関の孫六に会いに行くよ~!

 

監査官(一文字則宗) / 内藤大希さん

禺伝で一文字一家としての一文字則宗を出し、心伝では監査官として出す。最後にはゲーム通り、一文字則宗として登場するところまで見せる。上手い棲み分け上手い演出だな~と感心しました。そしてまた上手い意味でのにくい演出だなあと思ったのが、監査官と沖田総司は一緒の場面に立っていないところ。

鬼滅での末満さんとの縁があるといえど、バリバリミュージカルに寄ってる内藤大希さんが、刀ステの出て、しかも監査官&一文字則宗でめちゃくちゃ嬉しかったです。ありがとう。内藤さんらしいハキハキした喋りが、監査官とマッチしててとても良かったです。監査官お衣装も可愛かったな〜衣装さん流石!

 

新選組

近藤勇 / 佐々木崇さん

贋作だって言い続ける長曾祢虎徹を「本物だ」と言う近藤勇。百姓出身で武士を志し幕臣となるも、最後は幕臣を語る浮浪者として斬首される史実のある近藤勇に「本物の武士だ」という長曾祢虎徹。これが本当にうれしい描写です。維伝の岡田以蔵肥前忠弘の「斬りたいわけじゃないんだ」「でもお前にはそれしかなかった」と言われるがままに人を斬り続けた人と、その刀だから分かる苦しみの共有。元主とその刀剣男士で苦しみを共有したり、誇りを認め合う、そういった描写にめっぽう弱いです。近藤勇でも岡田以蔵でも、私が今まで見てきた歴史物語は、末路が史実と同じだったので、刀ステのすでに歴史改変がされた中でできるifのストーリーはどこか救いとなります。

佐々木さんの初日配信から、大阪以降の演技プランの変更を感じたのですが、その変わりようが個人的にめちゃくちゃ良いなと思ったんですね。もちろん、初日から近藤勇を感じる、重々しさや肝の座り様は見事だったんですが、大阪公演からは、さらに近藤勇の奥行きを感じるぐらい変わっていました。特に感じたのが、長曽祢さんとの対峙であったり、最後の「何処まで昇っても限りがない」あたりですかね。近藤勇は刀にこだわりのあった人物だったという話があったようなので、長曽祢虎徹に向ける言葉重みが変わって聞こえたり、新選組の輪の中だと、よりその人望の厚みを感じたり、懐の広さを感じさせる視線や言葉のかけ方があったり、素晴らしかったです。役者さんってすごい、ですよ。

土方歳三 / 小早川俊輔さん

カッコよくて強い(事実)じゃん??あまりにも土方歳三過ぎてびっくりしました。どこを切り取ってもカッコよすぎて、私はファンになりました。兼さんの気持ちわかるよ、あなたの元主はこんなにもカッコいいのか。初日配信後のブログにも書きましたが、心伝の直前に『新選組!』を見ていたこともあって、心伝の土方はどことなく『新選組!』っぽさを感じます。

心伝の土方は、戦線離脱組なので要所要所に良い場面はあれど、大きなドラマは無かったのですが……「夢の途中で折れんじゃねえぞ」と「生きている限りは夢の途中」という、土方歳三という人間のカッコよさを感じる格言を残してくれたことには感謝しかない。そう、要所要所に良い場面をありがとう。兼さんの台詞でもある「実用性一辺倒じゃ華がねえ、見た目だけじゃ話にならねえ」はどう考えても土方マインドだなと思っていたので、土方が挨拶がわりに言っちゃったり、走馬灯では、やれ下戸だやれバラガキだとおなじみのフレーズがあったり、ここぞという場面で近藤さんを「かっちゃん」って呼んだり、あとは石田散薬ネタがなかったくらいだよ、小早川さんの土方が薬箱持ってるの見たかったね、多分あの走馬灯の映像になかったよな(血眼になって探した)……ん?私って土方歳三のオタクだったのか??

にしても、もうシンプルに小早川俊輔さんの土方が本当にかっこよすぎる上に、土方歳三のイメージそのままだったので、函館編やってや…と思わずにはいられなかった。と、そんなオタクの気持ちに応えるように、小早川俊輔さんと田淵累生さんで函館旅DVDを出してくれるとのこと。あまりにも嬉しすぎて、このお二人のことはまだ全然知らないのに、メモリアルフォトブック付きで購入してしまった笑

 

斎藤一 / 池岡亮介さん

やっぱりるろうに剣心斎藤一を意識しているのだろうか……私はるろうに剣心はミリしらなんですけど、それでも、るろ剣斎藤一みたいだなと思うぐらいにはビジュアルを寄せているなと思いましたね。物語上の新選組だから無きにしも非ずですが。軽く調べた程度ですけど、斎藤一の刀と言われるものは孫六兼元の他にもある中で、るろ剣斎藤一と一緒に紹介されていたのは孫六兼元というのも関係してるんですかね?

時間遡行軍の力があると言えど、本作で刀剣男士を折る寸前まで対抗できたのは、斎藤一ってところに、斎藤一の強さを嚙み締めてしまった。 そしてそんな斎藤一を演じるのが、安心と信頼とエエ声のいけぴーである。とても良かったです。小早川さんの土方と同じくらいもっと見たかったというか、新選組キャスト全員に言える。 大千秋楽挨拶も粋でしたね~!近藤さんも土方さんも劇中で刀剣男士と同じ台詞を言うし、言いたかったんですかね笑

永倉新八 / 足立英昭さん

所謂、感動的な場面以外だと、新八の場面が群を抜いて好きですね。前のブログで、心伝は新選組の血生臭い場面にも触れているところが良いと書きましたが、新八の場面で新八自らがそれを語るのが良いんですよね。心伝において彼らは、自分たちが「不貞浪士と何ら変わらん」と認めていたり、自分たちの置かれている立場を「時代が俺たちの刀を必要とした」と言ったり、後の世の扱いを言われても「望むとことよ」と怯むこと無かったり。新八、あんたかっこよすぎるよ。また、史実での永倉新八が『新選組顛末記』を書いたことを想起させる、後の世に伝える役目を任されたことも、それができるだけの人間だということ思わせる賢さがあることも、胸熱なキャラ付けです。

足立さんカッコ良すぎるな〜〜〜いやあ見事でした。芝居において片眉が上がる人って、芝居上手人(しばいうまんちゅ)の証みたいなもんだと思っているので、足立さんが片眉が上がる人だ!と確認んできた時にはテンションがあがりました。また新八のビジュアルも良かったですね。パーマポニテまげ、おしゃれか。

谷三十郎 / 阿見201さん

で、でかい!?芸名の201ってガチ身長のことなんだ!?しかも芸人さんなんですね!?情報量が多すぎる阿見さん。佐之助役の下尾さんとの長身槍組のサンドウィッチオフショットも毎回可愛かったですね〜!谷さんの最後の台詞の「己の人生生き抜いたぞ」も良かったですね。劇中では、時間遡行軍が記憶を奪って成り変わってるという説明があるので、彼らは本物かみたいな哲学的な考えが横切りはしますが……彼らが胸を張って生き抜いたと言えたなら清々しいなと思いました。

好きなサンドウィッチオフショット。

 

山南敬助 / 栗原功平さん

心伝における山南敬助の存在感よ。山南さん、冒頭と試衛館での走馬灯でしか出て来てないのに、山南さんの存在感が強い。「山南敬助切腹は史実として残っていない」が、「山南の死が後の新選組に大きな影響を与えたこと」を、分岐点に置いたのは面白いよなあ。というか、実に新選組の物語らしいなというのか。沖田の悔しさが作った歴史改変といえど、その土台を作ったのは山南敬助。「山南は沖田によって殺された」ことを歴史にしなければ、歴史改変は始まらなかった。時間遡行軍やるなあ。

ていうか、栗原さんは山南の後、加納鷲雄役も兼ねてるんですよ。これ気づいたの大阪公演からで笑 あんだけ初日配信を繰り返し見たのに全く気づかなかったんですよね、雰囲気が違いすぎて。いやあ役者さんってすごい。しかも山南と加納の兼役ってまた、なんでそんな酷なこと。

原田左之助 / 下尾浩章さん

下尾さんは刀ステ常連アンサンブルとはいえ、今回ばかりは原田佐之助役で良かったことないか!?ダメだったのか!?普通に佐之助は新選組隊士でも人気所ですし、グッズのホテルキーにもあって欲しかったですしね…これは平助もなんですが。下尾さん、時間遡行軍も兼ねてたんですかね?結構佐之助としての場面が多かった気がしたので、今回はどうだったのでしょうか。 阿見さんと並ぶ長身槍組素敵でしたね。髪型は新八寄りのパーマハーフアップでオシャレさん…島原の走馬灯で何気に両隣に芸妓さん座らせていたり…

沖田総司 / 早乙女友貴さん

早乙女友貴さんに関しては、前のブログで褒めちぎりましたが、前のブログに載せられなかった内容について少し。 千秋楽配信の島原での場面の「今だってバラガキなんですから」の笑いを含ませた言い方めちゃくちゃ自然体で大好きなんですよね。特にここは、ちょっと生意気だけどみんなから愛される弟分の沖田総司のリアルな姿を感じて涙が出ました。他にも、間の取り方とか、落ち着いた声になるポイントとか、絶妙なんですけど、1番好きだったのはここだったかな。

殺陣やダンスとか身体表現に特化した人は、やられた時の体の受け方とかかわし方がやっぱり上手いんだなあと改めて思いました。まあた早乙女友貴だけで長くなりそう笑 あ、ここがなんか好きだなと思ったポイントは、新八を抱きしめる時に自分から寄りに行くのではなく、己の腕の力のみで新八を引き寄せたところです。強すぎる

 

長くなりました、心伝の感想はここまでとします。本当に楽しく充実した2ヶ月でした。もう配信が無いのがしんどい……円盤は11月……泣 心伝に想いを馳せつつ、刀ステを復習したり、他の新選組創作ものを見たり、キャスト陣の今までとこれからの作品を追ったりしようと思います。ところで、これはアンケートにも書いたのですが、心伝の映像演出の走馬灯シリーズの加工なしの動画を見たいと思い続けている。あれ、大河ドラマにしようぜ。

生きている限りは夢の途中だ。