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LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」2024 PART II 秀華祭 感想

2024年版舞台ぼっち見たぞ~! 芸術の秋(なお秋とは思えぬ気候)がやってきたと言うことでしょうか、見たいものが立て込んでおり、吟味する時間もなく感想を打ち込んでおります。でも今回の舞台ぼっちもめちゃくちゃ良かったぞ~!

 

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https://bocchi.rocks/stage/

LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」 2024 PART II 秀華祭

脚本・演出:山崎彬(劇団「悪い芝居」)

 

本当は現地で見たかった本作、どうしても予定が合わず千秋楽配信にて見届けました。 さらに、PART I も見たかったんですが、予定が立て込んでいてPART I は諦め。昨年の公演のほうは、先日配信で見ましたので、その感想はこちら。

charmy-coroge.hatenablog.com

 

令和の2.5でありつつ、アナログ演出の多さが味となる

ライブパフォーマンスがメインとなる舞台で、リアルタイム映像投影など映像演出も多くあり、所謂最近の2.5舞台の演出でありながら、チープさを感じるアナログ演出が多くあり、それがこの舞台の「味」となっている。これが舞台ぼっちの面白いところだと思っています。アニメで見た、リアルな土地設定を再現しつつも、突然の実写映像が差し込むシュールさに近いものを感じるので、「ぼっち・ざ・ろっく!」の世界観の汲み取り方が面白いなと思います。

例えば、今回のアナログ舞台装置のハイライトといえば、江ノ島での某ヤ〇チャ再現。あの一瞬のために、あれだけの装置を作るこだわり……好きだなあと思いました笑 また、前回のブログでも書きましたが、舞台ぼっちは場転の長さや暗転の多さが気になり、PART II もやっぱり気になったんですが、「前回までのあらすじミュージカル」「着替える尺を稼ぐための曲」あたりの正直すぎる開き直り様で、PART I よりはテンポよく見られたかなと思いました。……というか、結束バンドの4人を中心に芝居も前回より格段に上手くなっていたのもあります。暗転長いのも、基本的に4人が出ずっぱに近いぐらいなので当然っちゃ当然かもしれない。

 

結束バンドの「結束」を感じた

まずこの1年で、芝居も演奏も格段に上手くなっている結束バンドの4人に驚かされました。ストーリー上の4人の親密度の高まりや、バンドとしての一体感が、4人の役者の芝居力演奏力の上達とマッチしていて、相乗効果で胸熱さを感じるものとなっていました。

特に喜多ちゃんは、ストーリー上でギターを猛練習した結果、ぼっちちゃんのピンチヒッターとなる場面もあるので、前回よりも堂々と、そして余裕のある演奏スタイルには驚かされました。もちろん芝居上でのぎこちなさでもありますが、前回はやや素のぎこちなさを感じた演奏も、今回は全く感じさせず、演奏中のスマイルが眩しい余裕っぷり。喜多ちゃん役の大森さんは、『イザボー』でも見ているので、彼女の躍進っぷりには感動します。来年には『屋根ヴァ』にも出演されるとのことで、ますます期待が高まります。

演奏パートでいうと、元々安定していたリズム隊がもっと安定していて、すごく聞きやすかったですね。素人なので演奏の詳しいいろはは持ち合わせてませんが、ドラムベースに違和感が全くなかったので感心しました。あとは、リードギターぼっちちゃんは、本当にギターヒーローでしたね。「忘れてやらない」のギターソロがあまりにもかっこよすぎて、思わず声に出して「かっけ~!」って言ってしまいました。そんな個々のスキルアップと、バンドとしての結束力があり、正直この舞台だけに留めるにはもったいないぐらいでした!

PART I で虹夏ちゃんの「ぼっちちゃんのロック、ぼっち・ざ・ろっく!」で終わり、PART II では喜多ちゃんの「ひとりちゃん」があり、4人でぼっちちゃんのギターを買いに行く場面で終わるのも良い区切りだなあと思いました。ギャグやライブや色んな要素はあれど、根幹はぼっちちゃんを中心とするハートフルストーリー。終わりに「転がる岩、君に朝が降る」で締めるのもアニメと同じく素敵。

 

アニメ尺で言えば内容量が少ないはずなのにボリューミー

いや逆に言えば、アニメの尺がPART I に比べ短いので、舞台オリジナル要素で尺を増やしたからこそという面もあるのだろうけど。なんていうか、1場面ごとに高カロリーなんですよねPART II は。

まず、幕開けから子役一人に客席から登場させ、一人で前説を務めさせるという演出。すごすぎないか? かのヒプステのビートボックス前説に匹敵する技量では?子役って……すごいな……舞台ぼっちのオリジナリティが光ったと言えば、大森さんのパーソナリティに委ねられた、喜多ちゃんミュージカルターンは舞台全体にメリハリがついて私は好きだなと思います。

あとは皆さんのお待ちかね、SICK HACKのライブシーンですね!もうめちゃくちゃダークな存在感がマシマシでカッコよかった! きくり役の月川さんのすごさにしびれましたね。普段のへろ~んとした様子から、ライブでは一転カリスマオーラ全開の殺すような目つき。え……廣井きくりやんか……アニメとはまた違ったハスキーな声が、曲の雰囲気とあってて最高。てか、月川さん普通に芝居から大御所オーラがあったんですが、前回の初演が初舞台ってほんとですか……ぼっち役の守乃さんといい、キャラとの相性が良いのか自然体なのがすごいなあ、と思いました。ベースの指引きが好きすぎるんだなあ……あれ弾きながら歌えるの凄いなあ~

 

舞台ぼっち、今作もとても楽しかったです! 舞台ぼっちは今後アニメの進展次第ですかね……ヒプステのRep LIVEみたいなライブメインの公演で、Zeppツアーやったりしませんか、何ならアニメチームとのコラボレーションで……

守乃さんの連日のインターネットミーム芸は、妙に凝ってて面白かったんですが、千秋楽はピカイチでしたね。