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2024年 鑑賞映画まとめ

今年もたくさん映画見たな〜〜と思ったので、振り返りましたが、「劇場版はじめての繭期」と「ゲキ×シネ 20th tour」というアニバーサリーが重なったこともあり、体感は観劇回数に換算している感じもありますが、映画館でってことなので、こちらのカウントに。

動画を載せている作品は、特に良かった〜!と思った作品です。

観劇まとめはコチラ

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1月

カラオケ行こ!

好きな漫画の実写映画化。実写映画に求めているのは、原作ビジュアルの再現性ではなく、原作の理解力と生身の人間に置き換えるナチュラルさなので、その点が良かったなと思うところ。最初に狂児役が綾野剛さんと発表された時、いくら何でもビジュが違うよ〜とは思っていたものの、でも綾野剛さんなら良い芝居するんだろうなあ〜と同時に思ったので、そのとおりになったなと。

話は変わりますが、『カラオケ行こ!』原作の和山先生の別作品の『女の園の星』もゆくゆくは実写化するんだろうなと思っているのですが、その際、星先生役は中村倫也さんでお願いします。

千年女優

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リバイバル上映で初鑑賞。初の今敏監督作品。リバイバル上映されるには、それだけの理由がありますよね。『千年女優』名作でした。すごい良かったです。どうやって終えるのだろうと思った矢先の、最後の台詞で今まで追っていた彼女の姿がどこか遠くに行ってしまうような。我々にはわかりようのない、どこか喪失感にも似ているけれど、それが心地良いような。素敵な作品でした。

やっぱりセル画のアニメーションって良いですよね。昭和後期〜平成初期のお金のかかったセル画アニメーションにしか出せない、ちょっとザラついた感じが好きです。『AKIRA』を初めて見た以来の衝撃。

哀れなるものたち

映像表現がとにかく面白かったのと、エマ・ストーンが良かったという。女性の性の開放を大々的に見せた、女性のアブノーマル冒険譚という感じ。これがフェミニズムかどうかは置いといて。

2月

仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲイン

そうだよそれだよ井上敏樹!の感情と、流石にひでえよ井上敏樹の感情になったパラリゲ。基本的に続編やスピンオフへの期待値が低いので、まあこんなもんかなという予想と結果になったのでそれ以上にも以下にも無し。ただやっぱり、仮面ライダー555の面白かったところは、木場勇治にあったんだなと思わされた。

熱のあとに

冒頭の某ホスト殺害未遂事件パロにまんまと引っかかり見に行った作品。こういう破滅的な女も、創作文化の一つだなあとは思うのですが、どうも現実的な視点みたいなのがチラついてしまい今ひとつだなで終わってしまった作品。

ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -Battle of Pride 2023- cinema edit

Dual 3Dのみ。訳あって3面ライブスクリーンで行けなかった苦い思い出と、色々と公式情報のタイミングで気持ち良く見れなかった思い出。でも、あの夏のライブが最高だったことは変わりないんだよという気持ちを忘れず、かつての感情に終止符を打った日。

3月

ボーはおそれている

みんな期待大で映画館に向かったであろう、アリ・アスター渾身の新作。いやあ気持ち悪かったなあ大爆笑。マジで手癖勢いで作ったんだなあという、気が狂いそうな4時間でした。まだ『ミッドサマー』のがわかりやすいし、見やすいなと思ったので、見返そうという気にならない。

4月

FEAST 狂宴

面白いかな〜と思ったけど、ちょっと期待外れ。金持ちと貧乏の圧倒的な力の差と、飯のオンパレード。

5月

劇場版「はじめての繭期」第2夜『SPECTER』(大阪)

『SPECTER』が映画館で見られる嬉しさに大阪まで行った。チケ取の後に行きやすい名古屋も決まったけど、『SPECTER』を大阪で見るということに意味があった。とにかく映画館見る『SPECTER』があまりにも良すぎて、定期的に劇場版はじ繭はやって欲しいと思ったし、『SPECTER』をまた映画館で見たいと思いました。

家でも『SPECTER』だけは何十回と見ているので、映画館で見た嬉しさに、何故か冒頭で泣いた。SPECTER狂人。

これはSPECTER狂人のブログ。

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6月

開心領域

話題作なのもあり、期待して見に行きました。直接描写されないからこその生々しさや、音の不気味さはすごいなと思ったんですが、確かこの日は鑑賞モチベが低くく眠気が襲い、途中すっかり寝てしまい、なんのこっちゃで終わった記憶。

劇場版「はじめての繭期」第1夜〜第6夜(名古屋)

名古屋なら全日程行けるわと意気込み、全夜駆け抜けました。はじめての繭期じゃないね。永遠の繭期だよ。個人的に、映画館で見て映えるなと思ったのは『SPECTER』と『ヴェラキッカ』でした。でも、OP謎半裸映像を大画面で見るシュールさと、原点が1番シンプルに面白いんだよなあを感じた『TRUMP』も良かった。もちろん、『COCOON星ひとつ』『マリーゴールド』『グランギニョル』も良かった。

TRUMPシリーズは、一度も名古屋上演をしたことないのですが、はじ繭は名古屋もやってくれて嬉しかったですね。その調子で舞台もやって欲しい。

ゲキ×シネ 20th Tour 『髑髏城の七人Season月《下弦の月》』

新感線の履修済み作品は、この時点で花髑髏と修羅天魔のみ。下弦は、松岡広大さんの霧丸くんが気になり見たのですが……冒頭の場面で「これ、天魔王だから、鈴木拡樹さんだよな……?」にはじまり、鈴木拡樹さんの天魔王に圧倒されました。鈴木拡樹さんは本当に逸材ですわ。凄かった。

花髑髏、修羅天魔と見てきたので、沙霧のポジションが霧丸で男の子に変わることで、少年漫画テイストな髑髏城の七人っぽくなるのも良かったですね。

ルックバック

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好きな漫画の映画アニメ化。藤本タツキ先生との出会いも、『チェンソーマン』ではなく『ルックバック』だったなあと。近年、漫画のアニメ化が個人的に実写化よりも苦手意識があるのですが、これは本当に素晴らしいアニメ化だと思いました。徹頭徹尾、漫画やイラスト、絵を描く者たちを尊重したアニメ。藤本タツキ先生の独特な表情の作画や躍動感を見事にアニメーションで再現をし、漫画にはないつなぎの部分の演出も良かったです。何より、エンドロールの順番を見た時には、本当に映画館で見て良かったと思いました。

イチ早く見たくて初週で見て、特典のラフ版の単行本をもらいましたが、何週かあとにブックカバー特典が出た時に、ちょうどもう一回見たかったのもあり、2回目を鑑賞しました。

8月

刀剣乱舞 廻 ―々伝 近し侍らうものら―

虚伝アニメをなんとな〜く見たので、そのまま々伝も鑑賞。ザ・スピンオフという感じのコンパクト感。いまいちこのアニメの作画に慣れないんだよなあと思ったりなんなり。

ゲキ×シネ 20th Tour 『薔薇とサムライ2 ―海賊女王の帰還―』

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初の髑髏城以外の新感線作品。超最高だった!!笑いっぱなしだわ、謎に感動するわ、スカッとするわで文句のつけどころ無し。もしかしたら、新感線作品の中で1番好きというやもしれない。天海祐希さんの欲張りセットすぎましたね、中盤のあからさますぎるパロディには笑ってしまった。新感線は天海さんが大好きなんだなあ。

あとはもう、マクシミリアン坊っちゃまが最高すぎてですね……笑 

9月

メリーおばさんのひつじ

絶対に変な映画だ!と意気込み期待に駆け込んだ作品。絵に描いたようなパニックホラー映画で安心したし、何も解決しないまま終わって、案の定変な映画でした。ひつじちゃんの造形がちょっと東映特撮の着ぐるみみたいでしたね。

ナミビアの砂漠

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見終わった直後は、二度とこんなイライラする映画見るもんかと思ったのですが、見終わってからこの映画のことを思い返すことが多く、人の感想もよく見てまわったので、自分の中で引っかかるポイントのあった映画だったんだなと感じました。娯楽としての映画ではなく、もっと作り手の思想を覗くような映画。かと言って、何か社会に問いかけたいという意思を感じるかというとそうではない、というような感じ。……「お前らの見えていない今の若者のリアルってやつを教えてやります」といった感じ。

「私のこと理解しないお前が悪い、でもそういう干渉はサムイ。私がこういう風なのは、外的要因が作った軽度のうつ病みたいなもんなんだよ絶対」みたいな、腹立つ虚言癖女の解像度が引くほどめちゃくちゃ高い。どういう風に終わるのかと思えば「わからない」で終わる後味のスッキリしなさ。この感情との向き合いかたはわからないんだよな、わからないけど、わからないことがわかったことでもある。

後から知ったけど、カナ役の河合さんは『ルックバック』の藤野の声優に同じと知って、今注目されてるんだなあと実感した。ナチュラルな倦怠感が良い。

ゲキ×シネ 20th Tour 『SHIROH』

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もう20年前の作品だっていうのに、めちゃくちゃ新鮮だった。新感線と20年前の『モーツァルト!』出演陣と帝国劇場という豪華さ。そして救えなさ。島原天草の乱の悲惨さにフォーカスした創作は沢山あるだろうけど、またこれは一段と救えなかった。私を救うのは重昌GOGOだけだった……死んだけど……

私は過去ミュージカル作品の映像化が可能なら、真っ先に中川晃教さんの『モーツァルト!』を挙げるのですが、『SHIROH』は時期が近いのと出演陣が似ているのもあって、この点でも感動しました。新感線の映像記録の丁寧さは素晴らしいですね。にしても、後半の畳み掛ける勢いには圧倒され、『ジーザス』オマージュも理解し、すごい作品だ……と衝撃を受けました。シンプルに作品が良いので再演して欲しいなとも思うのですが、肝心のシローが中川さん以外考えられないという難しさ。新感線の当て書きの素晴らしさもあるんですが……

10月

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版

真生版?ディレクターズカット版みたいな感じかな〜?と思いながら見に行くも、ゲ謎自体が、昨年の初週ぶりで、通常版との違いは特にわからず、シンプルに久々のゲ謎を楽しむだけになってしまった笑

八犬伝

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今年一の期待作品だったので、期待通りの面白さでした。本作は予告通り、馬琴と北斎のパートあってこその作品だったので、馬琴と北斎のパートが特に見応えありました。特に、鶴屋南北との場面、創作における虚とはという問答は、少しでも創作を齧った身としては、どちらの考えもわかるなと思い、ひりついた。めちゃくちゃ良かったですね。あとは、馬琴とお百や、宗伯、お路との関わりがなあ、よかったなあ。もちろん、特撮オタクでもあるので、八犬伝パートも楽しかった。出演者陣的にも、東映特撮の趣があった。

シン・デレラ

絶対に変な映画だ!と意気込み期待に駆け込んだ作品その2。めちゃくちゃツッコミどころ満載で、もはやそういうエンタメって感じで逆に面白かった。てか、入場特典がビックリマンチョコシール柄で意味わからなかった。

11月

ゲキ×シネ『天號星』

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アンコール上映のありがたみを実感。早乙女兄弟の解像度を上げてから見る天號星楽しかったな〜!! これはあれですね、早乙女太一さんの捨之介を見た時の気分って感じの当て書きだなと思いましたね。それも、入れ替わりがメタ的に見せている感じもあってですね。かつて、ウルトラマンジードで見た、アクションの実力派の山本千尋さんが、新感線に見つかったの嬉しすぎたな。というか、やっぱり新感線のヒロインたち良いんだよなあと思った天號星でした。そして、朝吉である。朝吉とは何だったのか。

オアシス

清水尋也高杉真宙のヤクザだ〜と思って見たんですけど、よくもわるくも自主制作映画臭さがな……という感じで、期待はずれだったかな。あの雰囲気でやるなら、いっそポエムに振り切っても良かったと思った。そしてここぞというタイミングで出てくる津田寛治さんである。安心した。

ゲキ×シネ セレクト10『薔薇とサムライ2ー海賊女王の帰還ー』

ゲキシネ総選挙セレクト10の上映で2回目を決める。ゲキシネ、あまりにもコスパが良すぎる。マクシミリアン坊っちゃま、かわいいねえ。

12月

ゲキ×シネ セレクト10『髑髏城の七人 season 鳥』

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アマプラで見て、映画館で見なかったのを後悔したので、微力ながら投票したらランクインし、嬉々として鑑賞した鳥髑髏。鳥髑髏、圧倒的に映画映えすぎるんだなあ。もう初っ端の右近さんの爆音シャウトで、最高〜〜〜ッ!!だった。

私の親髑髏城は花なんですが、花がスタンダード髑髏城だったら、鳥はエンタメと小劇場のバイブスって感じなんで、非常にサイケで好き。トップテン入りしたのもわかる、劇薬髑髏城なのよね。……でも、改めて見ると他髑髏城と比べて、キャラの繋がりや背景がやや甘い気がして、キャラ立ちは立ってて面白いけど、ストーリー的には他髑髏城のが好みかなとは思った。でももうね、森山未來天魔王と、ステアラの小劇場シーン(雁鉄斎と捨之介の場面)が面白すぎて、結局鳥髑髏は浴びるように見てしまう。イグザクトリィ。

ゲキ×シネ セレクト10『蛮幽鬼

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2024年終盤にして新たなド深沼に出逢ってしまった……

新感線はそんなに深入りしないと思っていたので、あまり他作品へのアンテナ張ってなかったんですが、ゲキシネ総選挙結果の動画で出てきた『蛮幽鬼』で、「うわ〜〜!150%好きなやつ、ヤバそうな堺雅人(敬称略)が呼んでる」と気づいてしまい、友人各位からも熱烈なプッシュがあり鑑賞。めちゃくちゃ好きなやつだった。

ゲキシネ鑑賞後、U-NEXT課金で復習をし、戯曲本を買うまで至っています。あとは円盤を買うかどうかで。やっぱり、演劇作品における、「愛憎・裏切り・復讐」という王道は美味すぎるんですよ。そして『蛮幽鬼』はあんまりにも堺雅人(敬称略)の役づけが良すぎて、当て書きって最高だなァ〜〜〜!!!と中島かずき御大の方角にひれ伏した。これを機に、新感線のアンテナはちゃんと立てておこうと思いました。……にしても、ほんとこの年の瀬に15年前の舞台作品の暴れ馬になるなんてな……今年は『SPECTER』にはじまり、そういうのが多すぎる笑

レ・ミゼラブル

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晴れて来年、ミュージカル『レ・ミゼラブル』の観劇が確定したので、予習復習を兼ね、映画版を初見しました。ミュージカル版の映画化とは聞いていたけど、本当にミュージカル版そのままの歌唱オンリーの進行でビックリした。でも、ミュージカル版ほどのストーリー展開の早さも無かったので、見やすいなあと思った。良い復習になりました。

やっぱり最後の「民衆の歌」で鳥肌が立ち、泣きそうになったな。2回目に見に行った時は泣いた。改めて、ミュージカルの金字塔の作品だなあと、楽曲力の強さを体感した。映画版のキャスト陣、みんなカッコ良いんだけど、アンジョルラスがカッコ良すぎてなあ。

はたらく細胞

「冬映画(東映特撮におけるネットスラング)」だと思って、原作ミリしらで見た。ミリしらもあってか、とても楽しめた。純粋にストーリーとしても、ギャグコメディとしても面白かった。そして、良質な冬映画だなあと思った。鳥髑髏の記憶が明るいのもあってか、阿部サダヲ(敬称略)が良かったなあという気持ちになりました。

モアナと伝説の海 2

スタンプラリー的に見ただけなので、特に感想がない笑 前作を見ていないので、分からない部分が多かった。今年一意味のわからない鑑賞をした笑 ソニンのキャラの歌が良かったな。

ゲキ×シネ セレクト10『阿修羅城の瞳 2003』

鑑賞納めは阿修羅城でした。いやあ〜〜愛憎乱れに乱れ、そこまでやるか〜!って感じで、名作とは何かを噛み締めた。ラストの演出がこれまた綺麗すぎて鳥肌。鶴屋南北のキャラクター性が良かったな、何だが、全部南北先生の絵空事だったんだよと言われても納得してしまうような作りだった。

 

というわけで、2024年の鑑賞映画まとめでした。

はじ繭とゲキシネを除く、今年の良かったなあと思った映画は『ルックバック』と『八犬伝』かな。『八犬伝』の馬琴と北斎のパートが『ルックバック』って言われてたから、実質どちらも『ルックバック』である笑

 

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