TRUMPシリーズの感想もカテゴリ分けをしました。
さて、『キルバーン』についてサクっと感想を残しておきます。去年はTRUMP、刀ステ、イザボーと末満演出多めの感想ブログの年となりましたが、今年は結局刀ステの感想も残していないので、初めてになりますね。十口伝も士伝も良かったですよ、感想残せるほど自分の中でまとまってないだけで笑 『キルバーン』も正味感想残すかどうしよう……ぐらいのテンション感で、でも今年ノー末満なのもなぁとも思い、残すことにしました。
https://natalie.mu/stage/news/640309
https://kill-burn.westage.jp/
ミュージカル『キルバーン』
作・作詞・演出:末満健一
音楽:和田俊輔
サンシャイン劇場で観劇。10年ぶりのサンシャイン劇場でしたが、寒かったです。一階前方列のド端席だったのですが、障害物があって見にくいということは無かったです。
※『キルバーン』を含む、「TRUMPシリーズ」の過去作のネタバレを前提とした感想文になります。未見のタイトルがある方はお気を付けください。
ヒャッハーミュージカルとはつまり
「繭期オーバードーズミュージカル」でした。終盤で「オーバードーズ!オーバードーズ!」と輪になった時には、なんだこのトー横界隈はとなってしまう時事問題。繭期誘発剤コクーンの濃度を高めた、共同幻想屋敷での狂乱の宴なので、毎分ごとにグッサグッサ血みどろ倫理観皆無!そして急に歌うよ~で繰り広げられていました。 その中で、我々観客も繭期の民(固有名詞があった気がしたけど忘れた)なので、合間合間、オールスタンディングで拳を振り上げ、声を上げることを要求されます。これが合う人と合わない人がいそうでしんどい気がする。『SIX』やヒプステとはワケが違うと思います。『SIX』は場面設定的にも全編ライブ、ヒプステもライブ乗りは基本的にライブパートのみ、どちらも基本着席だったので。『キルバーン』のライブ乗りは急に歌うよ~のノリのまま、急にライブ乗りだよ~という感じでした。……なので、現地でライブ感に没入できる人は楽しいと思いますし、配信だとこの辺りの楽しみは分からないだろうなという感じがありました。私はというと、この日はマチソワで、先にヒプステ中王区を見ていたので、準備運動が出来た状態で入り、それなりにライブノリで楽しめました。
サウンドが基本的に、ロックやメタルって感じだったので、『SIX』やヒプステというよりかは、劇団☆新感線もしくはJCSって感じでした。ストーリー的には全然違うんですけど、絵面と音楽がなんとなく、JCSみが強かったですね。不死卿だからですかね。私は世代じゃないので、いまいちピンとは来ないんですけど、松岡さんと堂珍さんのデュエットはやっぱり対バンとかMステスーパーライブみたいな謎の満足感と豪華さを感じました。かっこよかったです。『LILIUM』『ヴェラキッカ』に続く「共同幻想ユートピア」も良かったです。語り継ぐ歌は大事。
あと今回も衣装が良かったですね。極彩色のギラギラ感と、服のボリューム感が良かったです。リンドウのスカートのふんわりぽわぽわ感が最高。
2020年にやれていたら別の感想を持っていたんだろうな
ここからはややテンション低めな感想。
この五年はやはり大きかったと思います。
TRUMPシリーズとしては、率直に「『キルバーン』が2020年に出来ていたら『黑世界』は無かったかもしれない。『黑世界』を終えた今、改めて『キルバーン』という作品をやった意味がいまいち分からなかった」でした。いやもちろん、元々上演予定で進めていて、発表もした手前「やらない」という選択肢が無かったのかもしれませんが。TRUMPシリーズが好きな者としては、「『黑世界』で見たなこれ」という要素が多かったがために、『キルバーン』から得る新鮮味が無いと思いました。TRUMPシリーズのオタクとしては、『マリオネットホテル』でダミアンの新視点や、ダリとフリーダの幸せで残酷な過去を知れたように、TRUMPシリーズのこれまでに関わる何かに期待したいわけなんですよね……と、あまり宜しくないタイプの客だなあという自覚はあります。『キルバーン』におけるこの要素が、「リリーが永遠の命を得た後どうなったか」だと思うんですが、『キルバーン』内で語られたことすべて『黑世界』で語られたことなので、「知ってる~」以外の感想以外無く、2020年に『黑世界』ではなく『キルバーン』として知れていたら、本当に別の感想だったんだろうなという惜しい気持ちしかありません。
また、不死卿ドナテルロと美少年グスタフこと、ニゲラとビンカが作った共同幻想も、付け加えられたように「かつてヴェラキッカで行われた事件を~」と説明されていましたけど、そう『ヴェラキッカ』でそのからくり知ってるわけなので、この二人の話も正直上滑り感が個人的にはあり……というか話聞きながら、どっちがニゲラでどっちがビンカか分かりにくかったという点もあって、後半の回想が全部右から左に受け流された感がありました。あと、ライネスの意味も今回ちょっとわからなかったです。これは繭期の民が良い解釈するだろうから、私は放棄する(突然の他力本願)。でも今回のライネスのアレンジは好きでした。どうせならもっとデスボイス感を強めても良いのでは?とすら思いました。
この五年はやはり大きかったという点で、演劇エンタテインメントとしては、この五年でこの手のライブ乗り演劇は色んなタイプが増えたという実感があります。特に、ライブ乗りタイプは今、植木豪演出の右に出るものが個人的に無いと思ってるので、も~~~しわけないけど、あの演出には新鮮味は無かったです。そもそも新鮮味を狙っているのかは分かりかねますが。……というかこれも、『イザボー』で見たやつになっちゃったんですよね。あとは、再確認した個人的な好みですけど、私、末満さんのミュージカル演出と相性が悪いんですよね。ミュージカルとしての歌詞の乗せ方や、ミュージカルナンバーの入れ方が、どうも相性が悪いと『マリーゴールド』から気づいてはいたんですが、『イザボー』『キルバーン』も同じでした。『ヴェラキッカ』はギリギリ許容範囲だったかな、ただ難しい歌が多すぎるという印象。特に『キルバーン』は今までで一番、もう少し歌がどうにかならないか?と思っちゃいました。多分、末満さん、変拍子やメロディラインの厄介なものが好みだと思うので、ライブ乗りとも相性が悪いと思うんですよ。私だけですかね、全体的にリズムの取りにくい曲が多かったです。ミュージカルで頑張ろうとしてる末満さんのことは応援したいんですが、私は申し訳ないけどストプレの方がヒット率高いです……
「ドナテルロ」「グスタフ」の絶妙な……
我々がよく知っている、片目が銀色のグスタフが可哀想だ。これは賞賛の気持ち悪さの意なんですけど、ドナテルロの気持ち悪さの概念をここまで発揮されると、ドン引きもドンドン引き。ニゲラとビンカのうん十年かけたでっかい真実の愛については、ハッピーウェディング♪良かったね♪でいいんですけど……「ドナテルロ」「グスタフ」については、オイオイオイそれで良いと思ってんのか??感がありすぎて、賞賛の気持ち悪さの意でした。ドナテルロって……何……??あとやっぱり、ここまで「ドナテルロ」「グスタフ」の名を上げるなら、今年のはじめての繭期に『月の翳り』が無かったことは何故?なんですけど、逆に無い方が幸せだったのか?グスタフへのせめてもの情けだったのか??と思いました。書くところがなくなったので、急に付け加えますが、美少年グスタフの小林亮太さん良かったです。小林さんは遡ること、『仮面ライダーアマゾンズ』をきっかけに知りましたが、今年の『フランケンシュタイン』しかり、あんなにキラキラしたお顔立ちなのに、しっかり影があるのが不思議ですね。
というわけで、『キルバーン』で一番イカれてるなと思ったのがやはり「ドナテルロ」「グスタフ」の名称についてでした。